アメリカの学校における銃乱射事件


キーワード:パークランド銃乱射事件

2018年2月14日にアメリカ合衆国フロリダ州のパークランド高校にて発生した銃乱射事件。17人が死傷した。


無くならない銃乱射事件

多くの方がご存じの通り、2月14日午後、アメリカ合衆国フロリダ州パークランドの高校で銃乱射事件が発生しました。少なくとも17人の生徒が死傷したこの事件の犯人は、事件のあった高校の元生徒(卒業生ではなく、退学処分になった生徒でした)でまだ19歳の若者でした。犯行に使われた銃は、軍用自動小銃の民間向けモデル、つまり軍のために作られた銃を一般の人向けに作り直したもので、普通の拳銃よりも人を殺す能力の高いものです。近年のアメリカにおける銃乱射事件では恐ろしいことにこの銃が使われるケースが多く、銃乱射事件による死傷者が大幅に増えています。

 

安全なはずの学校が危険な場所に

市民団体Everytown for Gun Safetyの調査によれば、2018年に入ってから、学校や学校周辺で起きた発砲事件はすでに17件、発砲によって犯人以外の人がけがをしたり死に至ったりした事件は7件もあったとされています。また、2013年以降アメリカ国内の学校で発生した発砲事件は290件。単純に計算すると、週に一度はアメリカ国内のどこかの学校で発砲事件が発生していることになります。安全な場所であるはずの学校において、アメリカの学生達は日常的に発砲事件に巻き込まれる危険と隣り合わせで生活しているのです。

 

なぜ若者が銃を手に入れられるのか

一概には言えませんが、子供が銃を手にしたケースの多くは、親が護身用に購入した銃をきちんと管理できなかったことが背景にあります。そもそも軍のために作られた銃が一般人向けに改良されて販売されるのも、自分の身を守るための護身用として銃を購入することが多いから。ちなみに、家庭内で起こる発砲事件の中には、銃がなんなのかまだ理解できないぐらいの年齢の子供が間違って銃を撃ってしまったケース、暴発してしまったケースも多くあります。おそらくは自分の家族を守るために護身用の銃を購入したにもかかわらず、そのせいで子供を失ったり、子供が発砲事件の犯人となり逮捕されてしまうなんて、なんとも皮肉な話ですね。

 

決して他人事ではない

海を隔てた遠い国の話だと感じる人も多いかもしれませんが、本当にそうなのでしょうか?アメリカに長期または短期留学したいと思っている人、する予定の人たちは、もしかしたら留学先で自分が事件に巻き込まれるかもしれません。友人やクラスメイトがアメリカに留学するなら、その人達が事件に巻き込まれるかもしれません。無事に留学から帰ってきたみなさんも、留学先でできた新しい友達、仲間、家族が巻き込まれるかもしれません。アメリカに行ったことがない人でも、SNSやインターネットを通じて知り合った誰かが事件に巻き込まれるかもしれません。今はインターネットなどを通じて簡単に世界とつながれる時代です。そんな現在、このような事件は決して遠い国の知らない人々のお話ではありません。

 

銃規制について考えよう

悲しいことに、アメリカ銃にまつわる事件はなかなか無くならず、心を痛める事件が度々発生しています。安全なはずの学校ではここ5年で週に一度のペースで発砲事件が起こっており、学生達は日常的に銃による事件の危険にさらされています。これは単なる遠い国の出来事ではなく、みなさん自身、あるいは知り合いの身に起こるかもしれない出来事です。これらの悲劇を防ぐものとして、銃規制が挙げられます。これをきっかけに、銃規制について知り、考える機会を設けてみてはいかがでしょうか。

 


参考:Everytown for Gun Safety “290 School Shootings In America Since 2013

BBCニュースジャパン「こんなことはアメリカだけ 高校乱射で米上院議員

犠牲者数が増える一方の米銃乱射事件 最近の共通点

イラスト:いらすとや様

黒木りりあ 登録者

コメント

    孝太 さん

    (2018-07-04 - 16:20)

    日常生活に銃なんていらない
    アメリカ国民もそのことに気付きだしてる

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