「自分を見失わない」櫛橋茉由の挑戦

こちらは櫛橋茉由(くしはし・まゆ)さん。28歳です。

職業、フェンシング選手。種目はサーブルです。日本ランキングは13位、世界ランキングは271位です。(2018年度、現在日本人の最高は世界27位)

櫛橋さんは同志社女子中学校に入学後、部活を選ぶことに。初めは剣道部に入部したかったのですが、剣道部が無かったため「剣を使うし、これでもいいのでは?」とフェンシングを選びました。

ひょんなことからフェンシングと歩み始めた16年。櫛橋さんとフェンシングの運命の出会いでした。

中学3年生のとき、現在の種目のサーブルに転向。その後同志社高校・同志社大学と競技生活を続け、卒業後はフェンシングの実業団のある会社に入社し、会社人と選手の両方を行う生活を約4年続けました。

フェンシングって?サーブルって?

ここで少しフェンシングの種目をご紹介。

フルーレ:攻撃は「突き」のみ。有効面は背中を含む胴体のみです。攻撃権が存在し攻撃と反撃が見えない程の目まぐるしさで変わるのが特徴です。現在日本フェンシング協会の会長を務めるのが、2008年北京オリンピックのこの種目で銀メダルを獲得した太田雄貴選手です。

エペ:攻撃は「突き」のみ。有効面は頭から足までの全身です。比較的得点の入り方がわかりやすいのが特徴です。頭脳戦や駆け引きも見どころです。

サーブル:フルーレ・エペの「突き」だけではなく、サーブルでは「斬る」動作でも点が入ります。櫛橋さんはこの「斬る」という動作に惹かれたそうです。むしろ「斬りたかった!」と笑顔で話してくださいました。有効面は腰から上の全て。5点先取で勝利が決まります。スピード感とアグレッシブさが魅力の競技です。

日本だけじゃ物足りない!

お世話になっているコーチと

そして現在。櫛橋さんは日本から遠く離れたイタリアで修行を重ねています。

いつかは世界で戦えるようになりたい。そう思った櫛橋さんは実業団時代に貯めたお金を持ち、単身イタリアへ向かいました。現在はイタリア北部の小さな町・トリエステでイタリア人コーチのクリスチャン・ラッシオーニ氏のもとで練習を重ねる毎日です。

「今いるイタリアの街は朝の5時に鶏が順番に3羽鳴くんです。朝が早すぎてお肉にしてしまいたくなる!(笑)そして朝8時には近くの教会の鐘が鳴るから目覚ましいらず!」と明るく話してくださいました。

イタリアはフェンシング大国。コーチを初め、世界有数の選手が揃う環境に身を置くことができると言います。強豪国で競合の選手とともに切磋琢磨する環境、それが実力の向上につながっていると感じているそうです。

ただ戦い続けられる身体でいるためには身体のメンテナンスがとても大事。実際、多くの選手は肉体の限界から20後半頃になると辞めてしまう人も。しかし海外のトップ選手には38才くらいの選手がいることもあり、コンディション次第では長年に渡り戦うことも夢では無いそうです。

実際、メンテナンスはとても大事。剣、グローブ、電気コード付きジャケット、半ズボン、長靴下。上に4枚、マスクは1.5kg剣は500g。重量を支え、瞬発さを兼ね備える身体を作るのは容易ではありません。

将来の展望をお聞きすると、気持ちのうちの75%は日本に戻って指導者を、あとの25%は、イギリスなどの海外で指導者しての経験を積みたい気もする、と話していました。

その指導者になるためもルールが有り、地域コーチ、国コーチ、国際コーチと段階ごとに厳しい試験があるそうで、櫛橋さんの練習拠点にも教育実習生が来ることがあるそうです。

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樋口夏穂 登録者

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