冬になると甘いものを食べたくなりますよね。特にバレンタインデーが近づくと、チョコレートの季節がやって来たと感じる人もいるのではないでしょうか。安いものから高級なものまで、チョコレートには種類も値段もたくさんありますよね。
そんなチョコレートの裏に隠された、甘くない話を皆さんはどれぐらい知っていますか?
カカオはどんな場所で採れる?
チョコレートを作るのに欠かせない材料といえば、カカオ豆です。実は、カカオ豆のなる樹が元気に育つ場所には、とても厳しい条件があります。
まずは、平均気温が27度以上であること。そして、一年間で気温があまり変化しないこと。更に、湿度が高いことも条件となります。
ずっと気温が高くて湿度が多い環境となると、暑いし蒸すしでかなり過ごしづらい環境であることが想像できます。その上、カカオの樹に覆いかぶさって風よけや日よけになってくれる他の樹も必要なんだとか。このような条件に当てはまる場所は、世界でもそう多くありません。
日本でも少量のカカオ豆が栽培されていますが、日本で流通するほとんどのカカオ豆は外国から輸入されています。日本に一番多くカカオを輸出しているのは、アフリカにあるガーナ。約8割のカカオがガーナからの輸入品です。それから南米のエクアドルやベネズエラといった国々からもカカオを輸入しています。
カカオ農園では誰が働いている?
カカオ豆が栽培されるカカオ農園では、実は多くの子どもたちが働かされています。カカオの生産量が最も多いコートジボワールとガーナでは、合わせて150万人以上の子どもがカカオ農園で働かされていて、その多くは学校に行くことすらできません。
ひどく蒸し暑い環境で、重いカカオ豆の詰まった袋を運んだり、有害な農薬を散布したり吸い込んでしまったり、鋭い刃物で豆を割ったり。命を削りながら彼らは働いています。
中には、このような作業のために外国などから売られてきた子どもも少なくないともいいます。このような児童労働は許されるべきではないですし、人身売買などもってのほかです。
私たち消費者ができること
カカオ農園で働かされている子どもを一人でも多く救うために、私たちにはどのようなことができるのでしょう。その方法の一つとして注目されているのが、フェアトレードです。
これは、今まで安く買われてきた品物を正しい値段で買う取引のことで、こうすることで農園に十分なお金が支払われます。収入が増えれば、その分子どもたちが働く必要がなくなり、学校に通えるようになったりします。
フェアトレードのチョコレートは少し値段が高いと感じるかもしれません。例えばいつもはチョコレートを10枚買っていたのを、いつものチョコレート5枚とフェアトレードのチョコレート1枚にするなど、少しの我慢と工夫をすることでも、大きな助けとなります。
それから、チョコレートを作ったり売ったりしている会社の中には、児童労働を撲滅するための働きをしている会社もあります。そういった会社のチョコレートを選んで買うことも、私たちができることの一つです。
普段から口にするチョコレートはどうやって私たちの手元に来たのか。少し意識して、考えて、行動してみるのはいかがでしょうか。
参考URL
認定NPO法人ACE https://acejapan.org/childlabour/report/chocolate
日本の主要カカオ豆国別輸入量推移(日本貿易統計、PDF) index_007.pdf (chocolate-cocoa.com)
(キッズ外務省)カカオ豆の生産量の多い国|外務省 (mofa.go.jp)
ピープルツリーのフェアトレード (peopletree.co.jp)
【製菓会社による児童労働撲滅のための試み】
1チョコ for 1スマイル – あなたが食べると、もう一人がうれしい。 | 森永製菓株式会社 (morinaga.co.jp)
Meiji Cocoa Support カカオづくりを、持続可能に。明治にできることを、もっと。|サステナビリティ|明治ホールディングス株式会社
ブラックサンダーは子どもたちの笑顔をつなぐ 一部原料から児童労働撤廃への 取り組みをスタート! | ブラックサンダーファンサイト (blackthunder.jp)