【移動式こども食堂】を作ったJリーガー 浅川隼人選手

 Jリーガーと聞いてどんなイメージを思い浮かべますか? プロのサッカー選手、強靭なアスリート、スター等々。どれも正しいと思います。

一方でそんなイメージとちょっと違った一面を持つ異色なJリーガーがいます。

千葉県出身の浅川隼人選手。大学を卒業後、2018年に神奈川のJリーグY.S.C.Cにて2年間プレーしました。その後、Jリーグロアッソ熊本に移籍、2022シーズンには奈良クラブに移籍しました。特に2023シーズンではJ3得点王ランキング2位、ベストイレブンにも選出されるなど、素晴らしい成績を残しています。2024シーズンからは長野県の松本山雅FCに移籍が決まり、さらなる活躍が期待されています。

そんな華々しい活躍をしてきた浅川選手ですが、経営者という顔も持っています。

Jリーグロアッソ熊本時代にresolistという会社を創業して、食でアスリートを支える事業も開始しているのです。当時のチームに食堂が無かったことから、地域とアスリートと食を結んだ事業を始めようとしたのがきっかけでした。

こども食堂について 

浅川選手はY.S.C.CでJリーガーとなった期間中にはサッカーを頑張るだけでなく、クラウドファンディングにて資金を募り、フィリピンのセブ島にてボランティアのサッカー教室を開催しました。その際に地元の子どもたちの貧困問題に触れました。

子どもたちに夢を聞いても答えられないという現実に直面した浅川選手は、そういった貧困についての社会課題をどうしたらサポートできるかを考えたそうです。

帰国後の浅川選手は、日本でも問題になっている相対的貧困層と呼ばれる子どもたちをどうやって支えていくか考え続けました。その想いから現在、奈良県で行われている移動式こども食堂へと事業がどんどん広がっていきました。

こども食堂は定期的に開催され、20〜50人が利用しています。現役のJリーガーが街に来て、直接触れ合える場というのは子どもたちにとって、とても貴重な機会となっています。

そして、浅川選手の経営する会社では、chabudaiという名の事業を通じて、食に関するイベントの出店や、お弁当を届けるプロジェクトなども行っています。 浅川選手は、いつかこれらの事業を通じて触れ合った子どもたちが大人になった時に、同じように夢を紡いでくれることを願っているそうです。

スパイク応援プロジェクト

そんな浅川選手の活躍はまだまだあります。一般社団法人Ultrasという団体を創設して、年間何足も必要になるサッカーの選手のスパイクを、一般のファンの方々でも提供できるシステムを構築しました。

プロとしてのキャリアをスタートしたばかりの選手は用具にお金もかかるのです。そんな中、ファンの方々の応援により提供されたスパイクを選手が実際のプレーで使用し、その後シーズンが終わる際には、そのスパイクが選手のサイン入りで返ってくるという画期的なものでした。誰もやったことの無いシステムを構築するなんて浅川選手はかなりのアイデアマンですね。

現在応援できる選手はサッカー選手だけでなく、バスケットボールやラグビーの選手もいるそうです。浅川選手は「こういった事業の再現性をつくりたい」と言います。「自分ができるだけではなく、他の選手にもできるように、セカンドキャリアやデュアルキャリアの後押しをしたい」と、これからのスポーツ界をより良くしていくためにはどうすればいいか、常に考えているそうです。

どうでしょうか? 浅川選手のような活動は今までのスポーツ選手像とちょっと違うかもしれませんね。でも、スポーツ選手の新たなロールモデルとしても、また経営者としても素晴らしいと思いませんか?

信念とこども達へのメッセージ

浅川選手にお話を聞いていると、「人々に夢や希望を与えたい!そして、子どもたちへ夢を持ってもらいたい!」という強い信念がひしひしと伝わりました。それらの価値観がアスリートとしての社会貢献活動にしっかりと繋がっているのだと感じます。

また、「夢や自分のやりたいことをできるだけ口にしてほしい、ドリームキラーがいたとしても言い続けてほしい、そういった子どもたちを支えていきたい」という力強いメッセージをいただきました。

浅川選手の価値観と夢への想いはこれからのスポーツ界にとっても本当に貴重な存在です。今後の活躍にも、ますます目が離せない素晴らしいJリーガーでした!

取材・インタビュー 櫛橋 茉由

監修 ジル鹿島  

参考URL

浅川選手のnote 浅川隼人|note

浅川選手のX (3) 浅川隼人🏯移動式こども食堂(@hayato_s11h)さん / X (twitter.com)

浅川選手が手がけるアスリート食堂chabudai | 株式会社resolist (chabudai-japan.com)

オーナー/ スパイクプロジェクト

Ultras ウルトラス 〜選手とファンの新しい応援の形〜 | 世界に1足。選手と歩むあなただけの特別な体験を。 (ultras-japan.com)

ジル鹿島 登録者

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