思春期とは、誰にも訪れるものです。自分のことが分からなくなったり、自分のことが嫌いになったりと、様々な葛藤を抱くのは普通のことです。
それを痛々しいまでにリアルに描いた映画が、『スウィート17モンスター』です。精神的に崖っぷちな女子高生ネイディーン・フランクリンが、自分と向き合い受け入れていくまでを描いた、青春と成長の痛みを描いた作品です。
ヒロインはちょっと痛くてみじめな女子高生
ネイディーン・フランクリンは高校2年生。妄想癖があり、口を開くとすぐにおしゃべりが止まらなくなってしまい、すぐに自己嫌悪に陥ります。
いつも自分の味方をしてくれていた父は4年前に亡くなってしまいました。母はいつだって優秀で人気者の兄・ダリアンをかわいがっています。彼女の唯一の理解者は、親友のクリスタだけでした。
ところがある日、クリスタがダリアンと交際していることが発覚します。再び一人ぼっちになってしまったネイディーン。そんな彼女を、クラスメイトのアーウィンは気にかけます。実は彼はネイディーンに好意を抱いているのですが、彼女はそれに気が付きません。それどころか、ネイディーンの視線はイケメンな上級生・ニックに気を取られます。
ネイディーンは歴史の先生であるブルーナーに一方的に悩みをぶちまけ、そして彼を信頼します。
孤独から逃げられる自分の居場所を探すネイディーンですが、家族とも、親友とも、気になる男子とも、上手な距離が取れません。悩みに悩んだ彼女が見つけたものとは……?
気まずい青春と痛い成長
青春時代は誰にとっても良いものである反面、思い出したくないような気まずい瞬間もたくさんある日々ではないでしょうか。
自分とはいったい何者なのか、と考える日々が少なくないでしょう。時には、目を背けたくなるような現実にも直面します。そんなとき、自分だけの味方が欲しくなることもあるでしょう。自分のことだけでいっぱいいっぱいになってしまい、周囲のことが見えない、なんてこともしばしば起こることです。
確実に言えるのは、程度の差はあれど誰もが成長の過程で痛い経験をするということです。この事実は決して痛みを和らげてはくれません。けれども、「自分だけが」という孤独感は、ほんの少し軽くなると思いませんか?
自分を助けられるのは自分だけです。いきなり自分と向き合うのが難しい。そんなときは、まずは自分と向き合う準備をしてみてはどうでしょう。『スウィート17モンスター』はその準備の一つになるかもしれませんよ。
参考URL
『スウィート17モンスター』(filmarks)https://filmarks.com/movies/70289