2023年、世界中で最も話題になっている映画作品といえば、映画『バービー』です。
アメリカで公開されるや否やぶっちぎりのロケットスタートを切り、週末の興行収入ランキング4週連続1位の快挙を成し遂げました。さらに、たったの34日間で2023年公開の全映画作品中で一番の興行収入を達成しました。
その人気はアメリカだけではありません。30以上の国と地域で、配給会社であるワーナー・ブラザーズ史上1位となる興行収入を叩き出し、8月末には全世界興行収入が13.4億ドル(日本円で約1,960億円)を突破しています。これは、100年の歴史を持つワーナー・ブラザーズ史上最高の興行収入です!
さらに、映画『バービー』は単独の女性監督による映画作品の歴代興行収入の1位という記録も叩き出しています。女性が監督する、女性が主人公の作品がヒットすることは残念ながら多くありません。そんな状況での映画『バービー』の記録づくめの大ヒットは、まさに歴史的快挙です!
映画『バービー』はどんなストーリー?
© Warner Bros Pictures
すべてが完璧でハッピーな「バービーワールド」。ここにはたくさんのバービー達、ケン達、ミッジやアランが住んでいます。毎日遊んで、踊って、おしゃべりして。そんな日々が永遠に続くとバービー達は思っていました。
しかし、ある日突然一人のバービー(典型的なバービー)が「死」について考えるようになります。すると、彼女の毎日は突然、完ぺきではなくなってしまいました。
原因を探るために、バービーは勝手についてきたケンと一緒に、人間の世界へと旅立ちます。ですが、人間の世界はバービーワールドとは正反対の世界。戸惑いながらもバービーとケンはそれぞれのやり方で2つの世界の「違い」を受け入れようとするものの、一筋縄にはいかず…。
映画『バービー』は何がすごい?
この作品は有名な着せ替え人形、バービーを題材とした初の実写映画です。バービー人形は単純におもちゃとしてだけでなく、ファッショングッズを中心とした関連グッズやアニメーション作品など、世界中で幅広く人気を博すキャラクターです。この映画ではそんなバービーの世界観を完璧に忠実に再現。しかし、キャラクターとしての人気だけがこの作品のヒットの理由ではありません。
映画『バービー』のすごいところは、多くの社会的な問題を題材として含んでいるにもかかわらず、徹底的にエンターテイメント作品であるところ、であると言えます。
カラフルなバービーの世界、人気の音楽にたくさんのユーモアが散りばめられた本作では、女性の活躍や有害な男らしさなど、様々な社会問題のテーマが登場します。
社会問題を扱った作品の中には、問題について深く掘り下げられる一方で、とっつきにくい、という印象を与えてしまうこともあります。
映画『バービー』はそのようなテーマを扱いつつも、分かりやすい切り口を多く用意し、あくまでもエンターテイメント作品としてまとめあげています。この点が広く支持されている印象を受けました。
KnotitiA.comでは、「多様性」「女性の活躍」「有害な男らしさ」「自分らしさ」「女性の身体にまつわる権利」という5つのテーマに着目。
それぞれの切り口から映画『バービー』を考察し、それらの社会問題について考えていきたいと思います。
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参考資料
映画『バービー』オフィシャルサイト (warnerbros.co.jp)
黒木りりあ