裁量労働制ってなんだろう?


キーワード:裁量労働制(さいりょうろうどうせい)

1987年にシステムエンジニアなどの専門職にのみ適用されるものでした。(専門業務型裁量労働制)1998年に会社の心臓部で企画や調査・分析の仕事をする一部の人に認められるようになりました(企画業務型裁量労働制)


政府は今、国民が安心して働けるように「雇用改革」(こようかいかく)を進めています。その中で議論されているのが労働時間と給料の問題です。これまでは朝9時から夜5時まで働いて、仕事が残っていたら残業をする、という形が一般的でした。しかし今では仕事の種類も幅も広がり、この決まった時間だけで給料を払う仕組みが成り立たない仕事が出てきました。

研究職やクリエーター職がその仕事の一つです。クリエーター職にはゲームのデザイナー、テレビの制作に携わる人達、IT系の仕事に携わる人達などが含まれます。この他にも各企業で企画や制作に携わる人達や弁護士等の専門職などが含まれる場合もあります。

 

それでは一般労働制と裁量労働制、何が違うのでしょうか?

一般労働制→会社は社員が働いた分だけのお金を支払います。しかし法律で決められた時間の中でしか社員に動いてもらうことができません。

裁量労働制→会社は「みなし時間」を設定し、その分のお金を払います。社員は自由な時間で仕事をすることができるので、社員が自分のスキルを最大限に発揮した仕事ができる可能性が高くなる可能性があります。

もちろん良い点も悪い点もあります。例えにホワイト企業とブラック企業で比較してみましょう。ホワイト企業は法律をすべて守る社員に優しい会社、ブラック企業は法律を守らない、社員にも社会にも良くない会社です。

ホワイト企業が裁量労働制を導入すると、社員は少し時間がかかっても良い仕事ができる可能性があります。良い仕事ができると会社の利益が大きくなる可能性もあります。良い仕事をするいい会社だと社会に認められて会社全体の評価が上がる可能性があります。「みなし時間」に対して良い給料を払うことができれば社員には嬉しい話でしょう。

ブラック企業が裁量労働制を導入すると、社員を時間で縛らなくて良いのをいいことに、社員が疲れるまで働かせてしまう可能性があります。社員が疲れてしまうと良い仕事はできません。良い仕事ができないので会社の評価には繋がりにくくなってしまう可能性があります。会社は「みなし時間」に対してあまり高くない金額を設定することがあるかもしれません。すると社員は一般労働制と同じ金額なのに多く働かせられる、という可能性が出てきてしまうでしょう。

 

どちらの労働の仕組みを選ぶにしても、会社が勝手に給料を勤務時間を設定することはできません。必ず社員と話し合いを重ねます。それでも難しいと言われているので政府で大きな議論になっています。

厚生労働省から提出されたデータが間違っていたとして安倍首相が発言を撤回、加藤厚生労働大臣が謝罪をした問題。皆さんはどう考えますか?



参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 「裁量労働制とは何ですか。」

絵:いらすとや様

樋口夏穂 登録者

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