中東地域ではなぜ戦争が起きやすいの?


キーワード:宗教問題

キリスト教やイスラム教など世界には多くの宗教がある。宗教問題とは、それらの宗教の間で起こる様々な問題を指す。社会の中で差別をしたり、時には武力を使って相手を攻撃する。近年は、中東地域での宗教問題が深刻化している。


中東ってどんな場所?

ニュースを見ていると、広い砂漠の中に大きい工場がある映像を見たことはありませんか?その工場では、煙をたきながら原油を採掘しています。ヨーロッパから見て東側にあるけれど、そこまで離れていない、なので「中くらいの東」=「中東」という呼び方がされています。ちなみに、日本や中国はヨーロッパからみて、非常に離れた東側にありますので、「極東」と呼ばれています。

中東の国は、サウジアラビア、イラク、イラン、シリア、イスラエルなど計15か国あります。

 

中東の宗教は少し複雑

中東の大多数の国々では、イスラム教が信仰されています。ただ、イスラム教と言っても、その中身はいくつかの宗派に分かれています。その中で、2大勢力となっているのがシーア派とスンニ派です。簡単に違いを説明すると、シーア派は、神の言葉を受け取ったとされる預言者ムハンマドの子孫を指導者とするべきと考えていて、スンニ派はムハンマドの子孫でなくても指導者にしてよいと考えています。シーア派は「血のつながり」を重視していて、スンニ派はそれにこだわっていないということです。中東の国々の中で、シーア派、スンニ派がそれぞれ多数派になっている国は以下のとおりです。

シーア派:イラク、イラン

スンニ派:サウジアラビア、アフガニスタン、シリア、トルコ

同じイスラム教を信じる国でも、考え方が異なるため、しばしば対立が起こってしまうのです。さらに、シーア派、スンニ派以外の宗派も数多くあります。シリアでは、少数派のアラウィ―派(キリスト教とイスラム教、並びにシリア固有の宗教が合わさった宗派)が多数派のスンニ派の上に立っています。

 

中東に現れたユダヤ教の国

イスラム教の間でも考えの違いがあり、対立が起こる中、それをさらに複雑にする出来事が起こります。それは、イスラエルの建国です。イスラエルではユダヤ教が信仰されています。もともと、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教は同じ神様を信仰していますので、本来はお互いに仲がよいはずです。実際、3つの宗教が共存している地域も見られました。しかし、イスラエルの建国のされ方があまりよくなかったのです。ユダヤ教徒の人々は、イスラム教徒の人々が暮らしていた土地を半ば力づくで手に入れて、土地を確保しました。イスラム教徒の人から見たら、それは「領地を無理やり奪われた」ことなのです。この結果、イスラエルと他のイスラム教の国々との間で戦争が起こりました。その数、合計4回です。今はイスラエルとの間で戦争は起こっていませんが、いつ戦争が再び起こってもおかしくありません。

中東は、様々な宗教・宗派がお互いにけんかの種をばらまいてしまった場所なのです。

 


参考:外務省HP http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/middleeast.html

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