車椅子カーリングって面白い!

青森のカーリング愛好者が作った、カーリングストーンの編みぐるみ。 隣はカーリングのブラシ。

平昌オリンピックではカーリングの女子チームが銅メダルを獲得するという大きなニュースになりました。北海道のほんわかとした雰囲気やアクセント、栄養補給のもぐもぐタイム等が話題になりました。

平昌オリンピックは終わりましたが、3月9日からはパラリンピックが開催になりました。

パラリンピックはオリンピックに比べると種目数はあまり多くありません。しかし白熱した戦いはオリンピックと何一つ変わらないのです。そこでKnotitiA.comは3月3日に墨田区総合体育館で行われたパラリンピック競技、車椅いすカーリングの体験会を取材してきました!

 

車いすカーリングの仕組み

◯車いすカーリングのルールはほとんどカーリングと同じです。違うのはスウィーピングと呼ばれる、ブラシでこする事が禁止されていることくらいです。

◯選手4人が交代で投げるのも変わりません。ただ選手は必ず男女ミックスです。日常的に車いすを使用する人に限ります。

◯車いすで氷の上に乗り、デリバリースティックという棒でストーンを押し出して、約30m先のハウスという円を狙います。

 

ユニカールのストーンの裏面はつるつる

私も体験させていただきました。今回の会場は体育館で、氷ではありません。カーペット状のシートで「ユニカール」というカーリングの石より軽く平たいものを使いました。裏面がつるつるしていました。

早速車いすに座り、150cm程の棒を持ってスっと押し出しましたが、あまり進みませんでした。アドバイスを受けてもっと力を込めてグイッ!と押し出してようやくハウスとよばれる円へ届きました。スタッフさんに聞くと、『このユニカールは氷の上での状態に非常に近い』とのこと。

欧米の選手になると腕の筋肉がムキムキの選手が多く、試合中には「カーン!」とストーンが思い切りはじき出されるシーンもあるそうです。「押し出すのにあれだけ力がいるのに弾き飛ばすなんて!」と驚きました。日本人も海外選手も「カモン!」「ゴーゴー!」と迫力のある声が出ることもあるそうです。

『力加減が難しかった』『棒のほうがコントロールが難しそう』という人もいました。

 

『とにかく応援してくれる人を増やしたい!』

『オリンピックもカーリングも見ていたけれど、車いすカーリングがあることは知らなかった。』『パラリンピックは知っているけれど、オリンピックが終わるとお祭りは終わった気分。』

学校の授業でパラリンピックのことは聞いていても、冬のパラリンピックがあることを知らない人もいました。平昌オリンピックは15競技*ですが、平昌パラリンピックでは6競技*なので仕方がないかもしれません。(競技の中で細かく種目が分かれています。)テレビでの放送はNHK総合とEテレ、NHK-BS1のみですが、日本代表選手のいない車いすカーリングは放送予定がありません。

(*注:オリンピック・パラリンピック公式ホームページのスケジュール欄に記載のある項目の数。オリンピック種目は正式には7種目102競技。)

 

事務局次長の坂本剛志さんにお話を聞きました。

東京オリンピックが2020年に開かれるので、都内の小中学校ではオリンピックやパラリンピックについての授業が行われています。『東京で冬のオリンピック・パラリンピックが開かれればもっと知られるのかもしれないけどね』と坂本さん。知ってもらって応援してくれる人を増やす、ということが重要なんだそうです。

日本代表は平昌パラリンピックに出場することができませんでしたが、何故でしょうか。4年間の準備の間では予選会と1年に1度の世界選手権でいい成績を残す必要があります。しかし海外に試合に行くお金もあまりなく、海外の強靭な選手と戦うのはとても大変なのです。日本の選手は事故や病気で足が不自由な選手がメインになりがちですが、海外では傷病兵といった、「戦争で障がいを負ってしまったが、障がいを負う前の身体の作り方のレベルが違うので元気ムキムキ」、という選手もいてどうしても体格差が出てきてしまうのです。また車いすカーリングは足の不自由な人限定。がっつり身体を動かしたい人は車いすラグビーや車いすバスケットボールへ、他の障害のある人は他の種目に行ってしまうのです。年齢が長く続けられるのは車いすカーリングの魅力。2010年のバンクーバーパラリンピックに出場した比田井隆選手は当時、75歳でした!オリンピック選手の最高齢は72歳なので凄いですね!『若い人は体力があるけれどまだ経験が少なく、年長者は体力は落ちても経験値豊富。』とてもいいプレーになるそうです。

一つのチームには5人程度しかいない上に、年間を通してカーリング専用施設で練習できる場所は北海道・青森県・長野県など限られており、選手の数もとても少ないのです。もちろん冬になれば練習はできますが、練習時間は短くなってしまいます。一番若い選手は現在20歳。障害があると移動は大変、しかも練習できる施設は遠い。そうなると未成年の人にはカーリングを体験するというのも難しくなってしまうのです。

 

よし、遊びに行こう!!
フローリングで気軽に遊べるカローリング。力加減が難しい!!

競技性重視よりも、楽しむ大会としてオープン大会も開催されています。そういった大会や今回のようなユニカールでの体験会等で認知度アップを目指しているそうです。

関東甲信越エリアでは長野県にある軽井沢アイスパークで1年中カーリングをすることができます。ここでは平昌オリンピックカーリング男子日本代表、山口剛史選手がスタッフとして勤務していて、体験会では直接教えてもらえるチャンスもあります。山口選手はお仕事の合間に練習を重ねているそうです。軽井沢に遊び行った際にはいかがですか?

→体験会情報はこちら


参考:一般社団法人 日本車いすカーリング協会http://jwh-curling.org/

公益社団法人 日本カーリング協会http://www.curling.or.jp/index.html

平昌パラリンピック競技日程https://www.pyeongchang2018.com/jp/game-time/results/PWG2018/en/general/competition-schedule.htm

樋口夏穂 登録者

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