就活と「名ばかり」紳士協定

文責:ファイナンシャルプランナー 矢野灯


キーワード:新卒(しんそつ)

新規卒業を略したもの。その年に学校を卒業する予定の人のこと。就職活動では、卒業後3年間は新卒扱いとする企業も多い。


今年も「新卒採用」(しんそつさいよう)の就職活動の時期が始まりました。街中や電車でも、リクルートスーツを着ている人をたくさん見かけると思います。ニュースや新聞にも「就活」についての内容が多く出ていますね。

たくさんの会社が同じような時期から会社の説明会や応募の受付を始めますが、この時期は誰が決めているのでしょうか?

 

この日からスタート!に意味がない…

会社が「採用選考活動(さいようせんこうかつどう)」を始める時期を決めているのは、「日本経済団体連合会(にっぽんけいざいだんたいれんごうかい)」です。長い名前なので、「経団連(けいだんれん)」と省略して呼ばれることが多いです。経団連には、日本の代表的な1,350社と同じ業種の団体が109団体など、日本で有名な企業のほとんどが入っています。

この団体で毎年話し合い、採用選考活動をいつから始めるかというルールを決めています。今年は去年と同じように、3月1日から会社の説明会など、会社側が学生にアピールする「広報活動(こうほうかつどう)」をスタートし、6月1日から実際に面接などをして採用する学生を決める「選考活動(せんこうかつどう)」を始めることになっています。

このルールは「紳士協定(しんしきょうてい)」と呼ばれるもので、法律ではないので破っても罰はないけれどみんなで守りましょう、ということになっています。

しかし、最近は「売り手市場」といって、会社が新しく採用したいと考えている人数に比べて、新卒で就職したい学生の人数が少なくなっています。そこで、優秀な学生に会社に来てもらうために、ルールを守らずに経団連で決めたよりも早い時期から採用選考活動をしている会社がとても多いことが問題になっています。あまりにも守っていない会社が多いので、この紳士協定は「名ばかり」だとも言われています。

 

インターンシップも採用活動に…

ルールよりも早い時期から始められている採用選考活動のなかでも、とくに多いのが「インターンシップ」です。インターンシップというのは職業体験のようなもので、1日だけのものから、長い場合は数か月間のものまで会社によって期間は違います。インターンシップは「選考には関係ありません」といって参加する学生を募集することが多いですが、実際には会社はこのインターンシップで早い時期から会社に入ってほしい学生を探しています。学生としては、就職活動に出遅れないために、インターンシップに参加することがあたりまえのようになってきています。

採用選考活動の開始時期についての紳士協定が決められているのは、学生が本分である学業に集中できるように、という理由もありますが、インターンシップに参加するために学校の授業を休まなければならないということも問題視されています。

就職活動は、学生にとって今後の人生を大きく左右する大切なものです。いろいろと問題視されている今の就活ですが、これからどんなルールになっていくのか注目したいところです。

 

 


参考サイト

2018年入社対象の「採用選考に関する指針」について

http://www.keidanren.or.jp/policy/2016/081.html

経団連ホームページ http://www.keidanren.or.jp/profile/pro001.html

JOBRASS新卒「いつまでが新卒扱い? 既卒の学生が企業に就職するための方法」

いつまでが新卒扱い? 既卒の学生が企業に就職するための方法

 

akari_yano 登録者

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