アメリカの銃規制、何故進まないの?


キーワード:銃規制(じゅうきせい)

1791年『アメリカ合衆国憲法修正第2条』にThe Right to Bear Armsという項目が設定されました。以降この法律をどう読むか、銃を禁止できるか、等がアメリカ国内で大きな争点になっています。日本でアメリカの銃規制の問題が注目されるようになったのは1992年、日本人留学生が銃で殺害された事件からと言われています。


 

日本時間15日未明、アメリカ・フロリダ州の高校で銃乱射事件が発生しました。容疑者は19才の少年で、既に身柄を拘束されました。17人の生徒が亡くなりました。

これまでにも何度も銃乱射事件が発生しています。そのたびに国内では銃の法規制が必要、と声が上がります。それでも毎年のようにたくさんの銃乱射事件が発生しているのが実情です。アメリカの法律上銃の所持は登録制になっていますが、違法所持があとを絶ちません。アメリカでは法律上個人で銃を所持できる、とされていますが、これは法律をどう読むかによって意見が分かれてしまうため、なかなか議論が進みません。アメリカの政治家には銃を製造・販売する会社からサポートを受けている人もいるので、銃規制に反対する人が出てきてしまいます。反対する人が多いと法律を決められないので、なかなか銃に関係する法律を変えることができないのです。

アメリカのピュー・リサーチセンターの調査では、犯罪全体を見ると実際の銃犯罪の件数は減ったものの、市民は増えたと認識しています。銃規制がより進んでほしい、これ以上悲しむ人がいなくなって欲しいと願う気持ちは一般の人々だけではなく、ハリウッドスターからも声が上がります。ハリウッドスターたちはそんな気持ちを動画にしてYouTubeで公開しました。英語でスターたちが口にするのは”How many more”(どれだけの)、”enough”(もうたくさん)、”no more”(もういらない)、”It’s time”(今がその時)、”Demand a Plan”(計画を出して)、と心から銃規制を願う言葉が並べられます。

トランプ大統領が今回の銃乱射事件についてコメントを発表しましたので簡単に訳しました。

傷ついた子どもたちへ、私たちは常に寄り添います。皆さんを想う人がいて、必ず守ってくれます。憎しみには愛で、残酷は優しさで補いましょう。みなさんはより強くまとまり、知り合いを友人にしましょう。警察や関係者が全力で捜査します。地域が学校を守り、心の傷に向き合います。私たちは生徒と学校を第一の優先事項です。変化を感じさせるのではなく、必ず変えなくてはなりません。このような事態に向き合った時、強くまとまった私たちは憎しみや悪より強い物になります。必要な時こそこの力は強くなります。今日は特に愛する人を抱きしめて、痛みと平和を祈りましょう。より良い明日のためにみんなで涙を拭きましょう。

日本では銃を持つことは基本的に禁止されているので、銃の問題はあまり気にすることが無いかもしれません。昨日隣を歩いていた人が事件に巻き込まれたり、私達自身が事件に遭遇してしまうかもしれません。遠い国の出来事ではありますが、どう考えますか?

 


参考:時事ドットコム「日本人留学生射殺事件

Gun Violence Archive「アメリカの年別銃乱射事件数

イラスト:いらすとや様

樋口夏穂 登録者

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