栗山さんと盲導犬アンジー。笑泣ほっこり本が刊行!

「見えないボクと盲導犬アンジーの目も当てられない日々」(小学館)が発売されました!視覚障害者である栗山さんと盲導犬のアンジーの日々を描いた本です。イラストを担当しているのは、以前KnotitiA.comでお仕事インタビューをした、イラストレーターのエイイチさんです!

「ある種の暴露本です」と栗山さんは笑いながら話してくれました。

普段のSNS投稿は、栗山さんから繰り出されるエピソードトークの中からエイイチさんが膨らませ、「面白おかしく」描いたもの。本の冒頭でも語っていますが、「笑いを通して、 目の見える人と見えない人との理解が深まれば」、と願いながら投稿を作っています。

エイイチさんが描き上げたものは、栗山さんは確認することができません。そこで登場するのが奥様。まさに夫婦共同のプロジェクトでできた作品になっています。

盲導犬と歩む人生

11歳で眼球を摘出した栗山さん。20代からこれまで3頭の盲導犬と歩んできました。

20代の時のパームは積極的な性格。教育実習や就職活動、家探しも一緒に行った「同志」という存在でした。

初代、パーム。友人の結婚式にもついていきます

30代の時のダイアンはちょっと神経質な性格で、子どものような存在。栗山さんが社会と向き合うそばに寄り添い、結婚し子どもが生まれる時も病院まで一緒に付いていく、家族でした。

2代目、ダイアン。

40代の今サポートしてくれるのが初の女の子、アンジー。盲導犬なのにインドア派という、ユニークな性格を持っています。こちらもまた子どものような存在とのこと。

3代目、アンジー。

盲導犬の任期は8年〜10年ほど。パームとダイアンはそれぞれ8年ずつ過ごしました。アンジーは2017年からのパートナーなので、あと数年内に引退することになります。

盲導犬を迎える時は、1ヶ月間泊まり込みで共同訓練を受け、試験をクリアしてからデビューします。訓練の間に盲導犬の性格を知ったり、信頼してもらう関係作りをします。訓練所では「猫をかぶっていたんだな!?犬なのに!」と感じた子もいたそうです。

文字通り栗山さんを導いてくれたあと、引退した先代のダイアン。とても不思議で素敵で泣けるエピソードは、ぜひ書籍やSNSから読んでみてください。

視覚障害と生きるということ

栗山さんが20代のころ、盲導犬と飲食店に入るのは容易なことではありませんでした。予約をしても折り返しの電話で断られたり、門前払いを受けたりしました。今では個人店を避け、企業風土として説得のしやすいチェーン店への入店をするようにしています。

身体障害者補助犬法(2002年)では「同伴することを拒んではならない」とされていますが、全ての人に正確に理解をしてもらうことは、まだまだ時間がかかっています。

20代の頃は悔しいと思ってた入店拒否。年を重ねると諦めとも違う、うまい付き合い方をするようになりました。改善しろ、と声高に発信するだけでは伝わらない。ユーモアを交えて発信し、考えてもらい、コミュニケーションを取る。それが一番円滑に伝わる方法だと気づきました。

悔しいことばかりではなく、街中でたくさんの人に声をかけてもらい、助けてもらってありがたかった、と思うことも多いそう。そうしたほっこりしたエピソードも、本の中にたくさん収録されています。

人の他に、テクノロジーの進化も栗山さんを助けてくれています。一例として、本の中でも点字ディスプレイや読み上げソフトなどが紹介されています。

街中のエレベーターは到着階ごとのアナウンスがない種類などもあり、困ってしまうこともあります。周りに人の気配が感じられない時などは「ビーマイアイズ」(筆者もボランティア登録者)のアプリを使うなどして、遠隔で助けを求めることもできます。

栗山さん曰く「僕たちは電力がなくなったら、とたんに弱くなってしまうほど、テクノロジーには助けられているんですよ」。

10代へのメッセージ

栗山さんは言います。

「面白おかしく、盲導犬のことを知ってもらいたいのです。盲導犬を学習するのも良いけれど、面白かったことって頭に残りやすい。そうして育った子どもたちが仕事を始めた時、頭の片隅から盲導犬のことを思い出して、僕たち盲導犬ユーザーを受け入れてほしい。視覚障害者も使いやすいような製品を生み出してほしい。そんな思いも含めて僕は本や講演会で発信をしています。

僕はアンジーがいるからこそ、安心して生きることができる。それをみなさんに知ってほしいんです。」

イラストレーターエイイチ、栗山龍太、アンジー、盲導犬
栗山さん、アンジー、エイイチさん
ありがとうございました!

参考文献

本の購入はこちらから!

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日本盲導犬協会 「盲導犬受け入れ拒否対応事例集」

https://www.moudouken.net/special/case-study/

日本盲導犬協会 「盲導犬の一生」

https://www.moudouken.net/knowledge/dogs-life.php

樋口夏穂 登録者

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