文責:ファイナンシャルプランナー 矢野灯
キーワード:メンタルヘルス
心の健康のこと。最近ではメンタルヘルスが不調な人が多く、会社や学校でも対策がされている。
ゴールデンウィークも真っ只中。そろそろ新しい年度になって1カ月がたちます。進学や進級で変わった環境にも慣れてきた頃でしょうか。
新しい環境に慣れるというのは、実は想像以上に気を使うことで、心にも体にも知らないうちに疲れがたまってしまいます。この時期は、なんとなくいつもよりやる気が出なかったり、とくに嫌なこともないのに気分が沈んだりするという人も多いのではないでしょうか。
この時期やってくる「五月病」
この時期のそういった心の状態が「五月病」と呼ばれています。五月病は正式な病名ではなく、医学上の病気ではありませんが、この五月病から本当に心の病気に発展してしまうこともあり、注意が必要なのです。五月病で沈んだ気持ちを時間がたつにつれて自然に解消できれば良いのですが、なんとなく気分が沈んで学校を休み、そのことで「体調が悪いわけではないのにさぼってしまった」と自分を責めてしまったり、気分がすぐれないのに無理をして、本当に体や心が疲れてしまったりすると、「うつ病」などの心の病気になってしまうこともあります。うつ病などは自分とは関係がないと思っている人が多いかと思いますが、実は誰でもちょっとした心の不調からうつ病になる可能性はあります。
メンタルヘルスを考える
最近では、心の健康のことを「メンタルヘルス」と呼んで、心を健康に保つための取り組みが大事にされています。学校でもカウンセラーの先生がいたり、児童や生徒のメンタルヘルスを守るための活動はされていますが、まずは自分で自分の心を守れるようにすることが大切です。
メンタルヘルスに悪い影響をあたえるものの代表が「ストレス」です。「ストレスがたまる」など、普段からよく使う言葉ですが、このストレスを引き起こす原因のことを「ストレッサー」といいます。人間関係や疲労、生活環境などさまざまなものがストレッサーとなり、ストレスを引き起こしています。とくに年度の初めは身の回りの環境ががらっと変わり、このストレッサーの多くなる時期であるため、五月病になってしまうのです。
風邪をひいたら病院に行ったり自宅で休養したり、早めに対処することが大切だと言われますが、心の健康についても同じです。ストレスがたまった状態を長い間そのままにしておくと心の病気になったり、回復するのが難しくなってしまいます。いつもより心が疲れていることに気づいたら、きっとただの五月病だろうと油断せず、家族や友達に相談したり、気分転換をしてリフレッシュすることが大切です。
参考
知ることからはじめようみんなのメンタルヘルス
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/index.html