「虐待被害者という勿れ: 虐待サバイバーという生き方」(新評論)が10月4日から全国の書店などで発売されます!
児童虐待。ニュースや新聞で聞く機会が増え、特にここ1年は想像を絶するような虐待の実態も報道されています。
令和4年度のこども家庭庁の速報値では219,170件もの虐待相談件数があり、年々増えています。それだけ多くの人が子どもへの家庭内暴力等を虐待と認識し、通報しているということ、そして子どもをそもそも虐待する件数も増えての右肩上がりなのかもしれません。
2018年に配信したこちらの記事を覚えていますでしょうか。
虐待サバイバーのオンライン写真展。企画・撮影は写真家の田中ハルさんです。
虐待サバイバー写真展が本に!
ハルさんにとっての初めての被写体でもある筆者が編集長として初めて取材をしたのが2018年のこと。その後実地で写真展を開催するなどしましたが、コロナ禍もあり活動は下火になっていました。
そんな田中さんが出会ったのが嶋守さやか教授です。
愛知県の桜花学園大学保育学部で教授をされています。福祉社会学など地域社会が専門。田中さんと嶋守さんが出会ったのは虐待とは異なるフィールドワーク先の団体の集まりでした。田中さんの取り組みを聞き、オンライン写真展を書籍化し、言葉を紡ぎたいと申し出ました。
「虐待を受けて育ったけれど、今生きている。その証としての写真を撮らせてください。」こうしてオンライン写真展に集まった15人。その皆さんに田中さんが改めて連絡をとり、約半数が嶋守さんのインタビューに答えました。
書籍化にあたり自身を表現するのはとても勇気がいること。インタビュー後の校正などの各段階で、回復途上にある心が耐えられず辞退をされた方も多くいます。そんな中で書籍化に漕ぎ着けたのが、掲載された計5人です。筆者も含まれています。
「生還者、サバイバー。かっこいいじゃない!」と、嶋守先生は言います。
書籍の冒頭にも書かれた「涙をこらえて上を向いて歩くより前を向いて歩こう。」そんな思いを本に込めました。
この世の中に虐待サバイバーは何人いるのかという質問に、筆者はこう考えます。
【虐待の統計に数えられた件数、その子どもたちが全員大人になったら、皆がサバイバー。私たちが立派に大人になって幸せの道を進む姿を応援してください。】
虐待サバイバーは孤独じゃない。表紙で微笑み手を伸ばす田中さんを通じて多くの手が繋がれますように。
全国各地で虐待サバイバー写真展が巡回中!
9月17日の福岡県・北九州市「おにぎりカフェ&BAR 一粒万倍」さんでの写真展を皮切りに、虐待サバイバー写真展が全国を巡回中です。
詳細は田中ハルさんのSNSから確認できます。
https://x.com/haruphoto2532/status/1708431392277938491?s=20
また嶋守先生のSNSを中心に、#握手キャンペーンを行っています。本を購入してくださった方、写真展にご来場いただいた皆さん、是非#握手キャンペーンにご参加ください!お顔は隠れていても良いそうです。
▼本の購入はこちらから!2時間程度でサクッと読めます。
参考URL
桜花学園大学 教員紹介
https://www.ohkagakuen-u.ac.jp/edu-hoiku/hoiku/teacher/
令和4年度児童虐待相談対応件数(PDF)