ヘアドネーションとは、病気やその治療が原因で髪の毛がなくなってしまった人に、髪の毛を寄付することです。詳しくはこちらの記事「ヘアドネーションってなんだろう?」をご覧下さい。
きっかけはラジオ
私は基本的にセミロング~ロングのヘアスタイルなのですが、美容院に行く度に、床に散らばる切ってもらったばかりの自分の髪の毛をいつしか「勿体ない」と思うようになりました。
どうにかしてこの髪の毛を何か、誰かの役に立てることは出来ないか、と考えていたある日、ラジオでヘアドネーションのボランティア活動をしている方のお話を偶然耳にしました。
「これだ!」と思い、私はすぐにヘアドネーションについてインターネットで調べ始めました。
自分の髪の毛が自分だけのものでは無くなる
ヘアドネーションをする、と決めてまずしたことは髪を伸ばすことです。この髪の毛が、誰かのものになるかもしれない、そう思うと、それまで適当に扱っていた髪の毛への自分の姿勢も変化しました。
お恥ずかしながら、それまで枝毛などを見つけると指で適当にぶち切ってしまったり割いてしまったりしていたのですが、ヘアドネーションすると決めてからは枝毛切り用のハサミを使うようになりました。トリートメントをきちんと使ったり、髪を乾かす際の髪とドライヤーの距離、熱の調整、就寝時の摩擦を減らす工夫をしたりなど、それまで怠っていたヘアケアの意識が個人的には高まったと思います。
それはひとえに、この髪の毛は自分のためだけのものではなく、誰かのものになるかもしれないのだから、という思いでした。
いざ断髪~髪の毛の寄付
髪の毛がある程度伸びてからは、どの団体を通じて髪の毛を寄付するかを調べました。私は主にインターネットを利用して情報収集しましたが、きっかけとなったラジオで紹介されていた団体を初めての寄付先に選びました。
ドネーション用のヘアカットは提携する美容院でしか出来ないのかな、などと最初は思っていたのですが、正しい切り方であればどの美容院でも良い、と知りました。いつもお世話になっている美容院での予約時にヘアドネーションしたい旨を伝えると、二つ返事で了承してもらいました。
予約当日、美容室に行くといつもはシャンプーをするところ、ヘアドネーション用のヘアカットから始まりました。内心ドキドキしていましたが、カットはびっくりするぐらいあっという間に終了。担当の美容師さんがヘアドネーションの経験が豊富なのかと思って聞いてみると、「実際に行なったのは初めてだけど、やり方は知っていたから」とのこと。そのまま髪の毛を袋に詰めてもらい、いつも通りのヘアカット工程に進んでいきました。
自分の髪の毛を持ち帰るという少々奇妙な体験の後、今度は発送です。といっても、これもあっさりとしたもので、指定の方法で所定の宛先に髪の毛を送る、ただそれだけ。
実感が湧かないほどあっさりと、ヘアドネーションは完了したのでした。
ヘアドネーション、それから
私はこれまでヘアドネーションを二度行なっていますが、実感が湧いたのは髪の毛を贈った団体から何らかのお返事をいただいたタイミングでした。ただ、自分が善いことをした、とまでは決して思ったことはありません。ヘアドネーションは必要なことで大切なことではありますが、善行とまでは思いません。というのも、髪の毛を受け取ってからカツラを製作するまでの工程の方が大変だと思いますし、実際にカツラを使う方は複雑な気持ちなのではないかな、とも思うからです。なので、「ほんの少し、役に立てていればありがたいな」程度の気持ちでいます。
今後も可能な限り、ドネーションは続けていきたいと思っています。二回のドネーションを通じて自分と自分の髪との付き合い方やサイクルの感を得られたので、これからも継続していきたいと思っています。また、ヘアドネーションした、する、という経験をなるべく周囲に伝えるようにもしています。「敷居が高い」と感じる人も多いようですが、経験からそうではなかったと思いますし、一人でも多くの人にこの活動に協力して欲しい、と心から願っています。
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参考サイト
https://www.jhdac.org/hair.html
(こちらの団体を利用してドネーションを行いました。)
髪がウィッグになるまで(JHD&Cウェブサイトより)