LGBTと変わる社会
ーーカナダで生まれた子供の性をunknown(不明)にした、というニュースがありました。
杉山 普通日本とかだと子供生まれた、って連絡くると「男の子?女の子?」、って聞いちゃうじゃないですか。それで女の子って聞くと女の子らしい物を買っていっちゃう。特に北欧なんかでは生まれてきた子供たちに、そういうのを無くそうっていうように変化してきたらしくて。そういう意味ではunknownって聞いて良いなとは思いました。ただいけないわけではないので、女の子らしいのが好きな女の子はそうすればいいだけで。それを決めつけないで、自分が望んだ時に望んだものを身に着けたりだとか振る舞えるようになればいいかなあ。必ずしも男女と分けちゃいけないわけではない。「こうしなさい」の押し付け合いでなく、お互いに「こうありたい」を良いじゃんって関係性に対個人としても対社会としてもなればいいな。
山縣 難しいね。セクシャルマイノリティ(性的少数者)に限らず男女のことって二元論(にげんろん)で語られる事が多い中で、そうしないということが候補として上がってきているわけだから、そういう声を拾っていくというのは多様性の社会には大切なのかな、って思いますね。実際二元論で語られる事が多いじゃないですか。だから「バイナリーな世界だけじゃないよ」、「こういうバイナリーの世界もあるよ」。それが社会的にそういうことも知られていて、話したりコミュニケーションを取ったりという事が重要です。
ーーコミュニケーションは大事ですね
山縣 人間関係が出来てからの言葉と、初対面の人に話す言葉ってやっぱり違うと思うし、そこの距離感はあると思う。クローゼットの方も多いし。
*クローゼット:LGBTなどの性的指向を公表していない人。
これからのレインボープライド
ーー街を1つ封鎖してパレードをするとしたら、どの街を封鎖したい?
山縣 表参道とか渋谷区じゃないですか、ずっとやってきたから。渋谷区とかはやっぱり歩いていて気持ちいいし、ずっとやってきたから毎年。2002年のときからそうですけど、ここでやってきたからやるんだったらここかなあとは思う。まあこの辺か(新宿)2丁目か。どっちかだけどあまり2丁目というと色んな人の意見もあるからなぁ。
行政とか地元と共催やコラボレーションしないと難しい。ただそういうふうにしていかないと、パレードの人は増えていかないなあ、と。
(編集注:アジア最大規模は「台湾LGBTプライド2017」の12万人)
ーー渋谷は発信が早かった?
杉山 パートナーシップは確かに渋谷が早かったけれども、それ以外の活動っていうのは渋谷区以外にも世田谷区とか豊島区なんかもそうおっしゃる議員の方がいらっしゃったりだとか、それ以前からいろんな活動はあったので。パートナーシップってことで言うと渋谷が早かったが、そこから加速していく。区長が全面的にそういうふうにやりだした、ってのもあって行政としてもやりやすかったりだとかがありました。
ーー2020年に向けて
山縣 やっぱりダイバーシティ(多様性)ってキーワードになるでしょうし、オリンピックのオリンピック憲章のにも性的指向差別禁止規定*もね性的指向って入ってたじゃないですか。そういうのも大事だとね、思うよね。そういうものでは加速するでしょうし。セクシャルマイノリティの人を含めいろんなセクシャリティの人が日本にやってくるよ、ということだから。加速するだろうしダイバーシティも広げて行きたいし、そうしていくべきだし。
注*オリンピック憲章2014年版「オリンピズムの根本原則」6項に記載がある。
杉山 2020年はあくまでもゴールじゃなくてスタート。こういった勢いがあるうちに制度にちゃんと落とし込んで、それ以降に誰もにちゃんと機会の平等が与えられるようにになったらなと思う
10代に向けてのメッセージ
山縣 一度しか無い人生、自分らしく生きてほしいなぁ。自分の人生なのでね。好きなように生きてほしいな。そこに対する、生きていけないから大変なな所はあるとは思うけれども
杉山 うちの団体のメッセージで「らしく、楽しく、誇らしく」ってあるんですが、本当にまさにこれかなと。誰に決められたものでなくて、らしくて自分がやりたいように楽しく生きると言うことに尽きるかなとやりたいことをやれと、そう思います。